研 究
量子ドットやカーボンナノチューブ,ナノメカニクスなど、メゾスコピック系・ナノマテリアルの研究を行っています。
研究で得られた知見より、簡単なシミュレーションの実行
カーボンナノチューブのエネルギーバンド : カーボンナノチューブの理論研究の過程で、 ナノチューブのモデルを簡単化できることがわかりました。 これを用いたエネルギーバンド計算をwebブラウザ上で行います。 (2020オンラインオープンキャンパスの企画として作成しました。)
これまでの主な研究(キーワード,研究論文や総説論文などへのリンク)
- 量子ドット
- カーボンナノチューブ
- ナノメカニクス
量子ドット:
近藤効果:(以下のリンクは)
-
日本物理学会誌 54, 888 (1999).(量子ドットの近藤効果の解説)
-
J. Phys. Soc. Jpn. 74, 103 (2005).(数値繰り込み群による近藤効果の研究の総説)
-
"Kondo Effects in Quantum Dots: Theory", a chapter in Encyclopedia of Condensed Matter Physics, 2nd edition (Elsevier, 2023)(量子ドットの近藤効果に関する解説)
研究論文(近藤効果以外):
スピンブロッケード:
Phys. Rev. Lett. 110, 016803 (2013),
Phys. Rev. B, 89, 085302 (2014).
(Amaha, Izumida, Hatano, Tarucha, et al. 3重ドットのスピンブロッケード観測[PRL(2013)],および,4重項スピンブロッケード観測[PRB(2014)]. マスター方程式による理論計算により観測結果を説明.
カーボンナノチューブ:
一次元量子液体:
New J. Phys. 7, 244 (2005).(朝永ラッティンジャー液体とNEMS)
曲率効果(スピン軌道相互作用など):
J. Phys. Soc. Jpn. 78, 074707 (2009).(スピン軌道相互作用. 第19回日本物理学会論文賞)
Phys. Rev. B 85, 165430 (2012).(ディラックコーンの傾斜とノギススペクトル)
Phys. Rev. B 111, 045121 (2025).(曲率誘起効果のカイラル角および直径依存性が、結晶の対称性および曲率方向に起因していることが、群論を用いた解析により示された)
有限長効果(離散準位の研究およびトポロジカル端状態の発見):
Phys. Rev. B 91, 235442 (2015).(金属型ナノチューブの離散準位、角運動量による分類)
Phys. Rev. B 93, 195442 (2016).
(Phys. Rev. B 91, 235442 (2015)の研究の半導体ナノチューブへの拡張。)
簡単なまとめはこちら。
エネルギーギャップ中のトポロジカル端状態:
Phys. Rev. B 93, 195442 (2016).
(上記論文Phys. Rev. B 93, 195442 (2016)の後半:エネルギーギャップ中のトポロジカル端状態の発見(複素関数論によるバルクエッジ対応の証明)。
簡単なまとめはこちら。)
J. Phys. Soc. Jpn. 86, 013702 (2017).
(トポロジカル相転移)
Physical Review B, 99, 115409 (2019).
(単層ナノチューブをトポロジカルに分類)
超伝導相関とトポロジカル状態,マヨラナ粒子:
Phys. Rev. B 96, 125414 (2017).
(超伝導ギャップ中に形成されるトポロジカル端状態)
Phys. Rev. B 97, 075141 (2018).
(超伝導ギャップ中のマヨラナ粒子)
電子相関:
Phys. Rev. Lett. 125, 056401 (2020).
(トポロジカル端状態における電子相関効果)
カーボンナノチューブの解説論文:
-
“Quantum Effects in Carbon Nanotubes: Effects of Curvature, Finite-Length and Topological Property”
[書籍
Quantum Hybrid Electronics and Materials (Springer Nature, 2022), の第7章.
カーボンナノチューブの基本に加え、上記研究により明らかとなった曲率,有限長,トポロジカル効果を解説]
-
固体物理, 51, 815 (2016).
(離散準位、トポロジカル状態など有限長効果の研究の解説)
ナノメカニクス:
解説:
-
固体物理, 57, 547-554 (2022).(電子スピンにより駆動するナノモーターの研究内容を、剛体の量子論などを含めて解説)
-
トランジスタ技術SPECIAL No.165, 170-176 (2024).(電子スピンにより駆動するナノモータの研究を紹介する解説記事)
研究論文:
半導体ロール構造の機械振動:
Phys. Rev. B 85, 075313 (2012). (ロール構造の機械振動の理論研究)
Phys. Rev. B, 89, 245304 (2014). (Okamoto, Izumida, Hirayama, Yamaguchi, Riedel, Friedland. 半導体ロール構造の機械振動の観測. 理論計算による実験の説明. 振動モードのアニメーションは論文のSupplemental Materialとして、こちら。)
電子スピンを駆動力とするナノモーター: